LIMEX(ライメックス)とは|SDGsに配慮した次世代の素材
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こんにちは「大同至高」のライターチームです。
SDGsへの取り組みに注力する企業が増えるなか、SDGsに配慮した素材としてLIMEX(ライメックス)が注目されています。LIMEXは紙やプラスチックの代替品となる素材の1つです。主原料は石灰石で、日本国内で100%自給自足できるため注目している企業も少なくありません。
この記事では、LIMEXについての基礎知識やメリット、デメリットなどについて解説します。SDGsの取り組みに役立つ可能性があるため、素材選びの参考にしてください。
LIMEX(ライメックス)とは
LIMEXとは、株式会社TBMが国内で自社開発した素材です。石灰石を主原料とした新素材であり、環境にも配慮できる日本生まれの素材として注目されています。SDGsの広がりもあって、多くの企業が積極的に取り入れ、すでに1万社以上の企業がLIMEXを採用しています。
国連の気候変動枠組み条約締結国会議では、日本の優れた技術として紹介されました。また、国際連合工業開発機関のサステナブル技術普及プラットフォームにも登録されています。
※参考:新素材LIMEX(ライメックス)と資源循環ビジネス|株式会社TBM
LIMEXが選ばれている理由
LIMEXが1万社を超える企業から選ばれている理由は、環境へ配慮した素材が求められているためです。官公庁でもLIMEXを採用しており、SDGsや環境問題への取り組みの一環としてLIMEXへの代替えを推進しています。LIMEXを使用することで、社会貢献活動の推進が可能になります。
企業が環境問題への社会的責任を果たそうとする姿勢を示すため、環境配慮型の印刷物へのニーズも年々高まる傾向です。例えば、広報や販売促進に使うツールなどの印刷物をLIMEXに代替えしている企業も少なくありません。企業はLIMEXを使用することで、SDGsや環境問題に貢献していることを実証できます。
さらに、LIMEXは多様な製品を出せるため、使い勝手がよい素材です。環境配慮型素材の中でも特に注目されています。
LIMEXの特徴
LIMEXには、多くの特徴があり、SDGsに貢献できる特徴です。ここでは、代表的な特徴を3つ紹介します。
紙の代替えができる
LIMEXを使用した紙の代替品となる素材を「LIMEXシート」といいます。LIMEXシートを製作するには、木や水をほとんど使用しません。一般的に、紙を1トン製造するためには木が20本程度、水が80トン程度必要です。
紙の代用品となるLIMEXシートを1トン製造する場合は、石灰石が0.7トン程度、樹脂が0.3トン程度です。木や水をほとんど使用しないため、環境に優しくSDGsにも貢献できます。そのため、LIMEXシートは豊かな森林と水を守ることができる素材として、名刺やメニュー表、冊子、地図などさまざまな用途で使用されています。
プラスチックの代替えになる
LIMEXは、プラスチックの代替品にもなります。プラスチックの代替品となる「LIMEXペレット」は、石灰石などの無機物を50%以上含むため、プラスチックを大幅に削減できます。従来のプラスチックは石油由来の樹脂が100%使われていますが、LIMEXペレットであれば石油由来樹脂を20%にまで抑えることが可能です。
石油の消費用を抑え、さらにCO2削減にもつながるため、SDGsや環境問題に配慮した製品として活用されています。LIMEXペレットを使用した代表的な代替製品は、レジ袋やポリ袋、クリアファイル、食器、文具などです。
アップサイクルが可能
LIMEXは少ないエネルギーでリサイクルでき、リサイクル率が高いことも特徴です。単なるリサイクルに終わらず、アップサイクルも可能な素材でもあります。アップサイクルとは、素材を再利用する工程で、付加価値をつけたり、別の製品として生まれ変わらせたりすることです。
LIMEXの場合は、LIMEXシートが不要となった場合、LIMEXペレットとしてアップサイクルできます。LIMEXペレットは、プラスチック製品となり、不要となれば再びLIMEXペレットに戻せます。資源をできる限り活用し、持続的に再生・再利用し続けられることも特徴です。
LIMEXのメリット
LIMEXシートの代表的な特徴は、高い耐水性とリサイクル効率の高さです。また、LIMEXペレットはLIMEXシートからのアップサイクルが可能で、既存の生成機に対応できる点が特徴です。
これらの特徴を活かすことで、LIMEXには多くのメリットが発生します。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。
活用範囲が広い
前述のとおり、LIMEXは紙とプラスチックの代替え製品を製作できます。単なる代替品ではなく、これまでにはない高い機能性を兼ね備えているため、従来の紙やプラスチックよりも活用できる範囲が広いことがメリットの1つです。
例えば、飲食店のメニュー表をLIMEXシートで作れば、汚れが付きにくく紙よりも耐水性が高いためラミネートの必要がなくなります。また、LIMEXシートで作成したポスターは水や湿気に強く、屋外に貼り付けても長持ちするためコストを削減できるでしょう。
森林保全や石油資源節約に貢献
LIMEXを使用することで、木材パルプの使用を抑えられます。結果として、森林の伐採を減らし、森林保全に役立つため川の水もきれいになるでしょう。また、プラスチックの代替となるため、石油の使用量を減らすことができる、石油資源の節約にも貢献します。
CO2排出を抑制し石油資源を保全
LIMEXは、石油由来成分を従来よりも大幅に減らせられるため、CO2排出を抑制し石油資源の保全にも役立ちます。原材料の調達から、最終処分までのライフサイクル全体でのCO2排出抑制も可能です。特に、石油からの原材料調達工程では、石油由来プラスチックと比較して、CO2排出量を約98%抑えられます。
水資源の保全に貢献できる
紙の代替素材としてLIMEXシートを製作すれば、製造工程において機械の冷却以外には水を使用しません。紙の製造時に使用している水の使用量を約97%削減できます。水の使用量を減らすことは、水資源問題にも貢献します。
水資源問題は人口増加や気候変動により、淡水が不足する世界的な問題です。水資源問題が深刻化すれば水の奪い合いとなり、最終的には水戦争に発展するリスクがあります。
LIMEXのデメリット
LIMEXのデメリットは、通常の紙と比較してLIMEXシートのほうが割高になる場合があることです。コストだけを考えれば、大量生産を行う紙の方が安価であるため、LIMEXシートの採用を断念するケースもあります。
しかし、LIMEXシートを採用することで、企業の社会的責任を果たそうとするケースも少なくありません。LIMEXシートやLIMEXペレットを使用することで明確にステークホルダーに企業姿勢を示すことができるでしょう。
LIMEXはSDGsにも貢献
LIMEXはSDGsの17の目標のうち、8つの目標に貢献できます。ここでは、貢献可能なそれぞれの目標の詳細を解説します。
[目標6] 安全な水とトイレを世界中に
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目標6では、だれでも安全な水と衛生環境が整ったトイレを利用できるように管理することを目標としています。LIMEXは水の衛生管理とアクセスに貢献しています。
[目標8] 働きがいも経済成長も
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目標8はみんなが経済的に豊かになれるよう、経済の生産性向上や完全雇用、働きがいのある仕事を目標としています。LIMEXは持続可能な経済成長にも貢献しています。
[目標9] 産業と技術革新の基盤をつくろう
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目標9は、強いインフラを整備することで、すべての人が公平に経済発展と福祉を進めていけるようにすることが目標です。LIMEXの普及により、強靭なインフラの整備と包摂的で持続可能な産業化推進に貢献します。
[目標12] つくる責任 つかう責任
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目標12では、持続可能な消費と生産計画の実行を目指しています。LIMEXを使用すれば、循環型社会の構築に貢献し、持続可能な消費と生産のパターンも確保できます。
[目標13] 気候変動に具体的な対策を
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目標13では、より具体的な気候変動対策が求められています。LIMEXを採用すれば、CO2の削減ができるため、気候変動対策に役立ちます。
[目標14] 海の豊かさを守ろう
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目標14は、海洋資源を守り、大切に使うことが目標です。LIMEXは水の使用量を大幅に削減し、森林保全にも役立つため、結果として海に綺麗な水を注ぎ込み、海産物へ良い影響を与えます。
[目標15] 陸の豊かさも守ろう
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目標15では、陸の豊かさを守るため、砂漠化の抑制や生物多様性の維持を目標としています。LIMEXを使用することで森林伐採を減らし、森林保全に役立ちます。
[目標17] パートナーシップで目標を達成しよう
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目標17では、世界中のすべての人が協力し、目標を達成することが求められています。LIMEXは持続可能な開発に適した素材であり、実施手段の強化に役立ちます。
まとめ
LIMEXは、紙素材とプラスチック素材の代替品となる素材として注目されています。LIMEXの優れたポイントは、単なる代替素材ではなく、アップデートできる素材になることです。再生・再利用し続ける循環型の素材で、アップサイクルも可能です。SDGsの17の目標のなかで、半数近い8つの目標に貢献できる素材としても、評価されているのです。
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