クリアファイルが反る原因と反り返りを防ぐ対策方法を解説
こんにちは「大同至高」のライターチームです。
クリアファイルは、大切な書類などの印刷物を保管したいときに便利です。しかし、クリアファイルに書類を挟んでおいたら、クリアファイルがカールした経験のある方も多いのではないでしょうか。
クリアファイルが反る原因は、原料であるポリプロピレンに弱点があるためです。大切な印刷物を保護するクリアファイルを使うときは、ポリプロピレンの性質に注意しなければなりません。
そこで、この記事ではクリアファイルが反る原因を詳しく解説し、反り返りが起こらないよう防ぐ対策方法を紹介します。
1.紙を入れると反ることがクリアファイルの弱点
クリアファイルの原料であるポリプロピレンとは、PPと表記されることがあるプラスチック素材です。ポリプロピレンはさまざまな特徴を持っており、ポリ袋のように薄い製品から厚みがある工業用コンテナにまで使用されています。
とくにクリアファイルに加工される場合、ポリプロピレンが持っている長所は以下の5つです。
- プラスチックの中でも軽量である
- 表面が硬く傷つきにくい
- 加工性が高い
- 透明度の高い製品が作れる
- 安価に製造できる
工業的な性質として加工性がよく価格も安いことは、商品を提供する上で大きな長所といえます。さらに、軽量で持ち運びやすく透明素材である点が、クリアファイルの原料としてポリプロピレンが一般的に使用されている理由です。
一方で、ポリプロピレンには弱点もあります。ポリプロピレンをクリアファイルに加工した場合、問題となりやすい主な弱点は以下の4つです。
○収める紙によって、反ることがある
収める紙によって、クリアファイルの開口部が反り返ることがあります。反ったクリアファイルでは中の紙が露出してしまうため、書類を保護する役目が果たせません。
○時間が経つと白い粉が出ることがある
時間が経つと、クリアファイル表面に白い粉が出ることがあります。透明性が低下したクリアファイルでは中に入れた紙面の鮮明度が下がるため、書かれた情報を読むことができません。
○寒冷時には素材が硬くなり、割れやすくなる
ポリプロピレンは耐候性が低く、マイナス5度以下の寒冷時には割れる可能性があります。
○直射日光などの紫外線にさらされると劣化する
ポリプロピレンは紫外線に長時間さらされると、劣化する点にも注意してください。劣化が激しいケースでは、クリアファイルがボロボロと崩れてしまいます。
上記に挙げた弱点の中でもとくに大きな弱点が、紙にクリアファイルを収めると反ることがある点です。紙を保管するためのクリアファイルに、なぜ紙によって反る弱点があるのでしょうか。ここからは、クリアファイルが反り返る原因について解説します。
2.クリアファイルが反る原因とは
クリアファイルに何も入れていなかったり、まっさらな紙を挟んだりした状態では、クリアファイルが反ることは基本的にありません。クリアファイルが反る原因は、油性印刷で作成した印刷物を中に挟んだためです。
油性印刷では印刷インキの着色剤を溶かすために、シンナーや灯油など石油系の非極性溶剤が使用されています。一方でクリアファイルの原料であるPP(ポリプロピレン)も、元をただせば材料は石油です。
そして、PPと非極性溶剤には化学反応を起こす相互溶解性があり、接触すると安定した状態を保てません。結果としてPPは膨潤と呼ばれる化学反応を起こし、ふやけて伸びた状態となってしまいます。
ただし、PPの膨潤は比較的まれな現象であり、油性印刷の印刷物と接触すると常に膨潤するわけではありません。PPの膨潤が起こるのは、印刷物を油性印刷で作成し、かつ印刷したばかりである場合です。
印刷したばかりの印刷物はインキ臭が強く、印刷面からVOC(揮発性有機化合物)と呼ばれる成分が揮発しています。VOCは非極性溶剤の成分を含んでおり、PPが揮発成分を吸うことで膨潤を起こすため、注意してください。
それでは、なぜクリアファイルが外側へと反り返るのでしょうか。印刷面からVOCが揮発している場合、VOCはクリアファイル内側のPPにあたって膨潤を引き起こします。一方で、外側のPPにはほとんど影響を及ぼしません。 内側のPPだけがVOCと接触し、ふやけて伸びた状態となるのに対して、外側のPPは原形を保っているため、クリアファイルが外側へと反り返ってしまいます。
また、膨潤により反り返ったクリアファイルは、基本的には元に戻すことはできません。
3.クリアファイルの反り返りを防ぐ対策
クリアファイルが反り返ると中に入れた紙を適切に保管できなくなり、シワ・折れ・汚れが入ったり破れたりする原因となります。大切な書類や資料を劣化させずに保管するためには、クリアファイルの反りを発生させないことが重要です。
最後に、クリアファイルの反り返りを防ぐ4つの対策を紹介します。
3-1.印刷物を十分に乾燥させる
クリアファイルのPP(ポリプロピレン)を膨潤させないために、中へ入れる印刷物は十分に乾燥させましょう。印刷物を乾燥させるとVOC(揮発性有機化合物)の揮発する量が少なくなり、PPが膨潤する可能性を低減できます。
乾燥させる時間はインキ成分やVOCの量によって異なるものの、最大で48時間程度です。とくに大きな面を塗りつぶすベタ印刷やフルカラー印刷の場合はVOCが揮発するまで時間がかかるため、乾燥時間を多く取るようにしてください。
3-2.印刷物の表面にフィルムを貼って収納する
印刷物の表面部分にフィルムを貼っておくことも、有効なクリアファイルの反り返り対策です。表面加工フィルムがVOCを遮断してくれるため、クリアファイル内側のPPが膨潤することを防いでくれます。
クリアファイルとフィルムで二重に保護されるため、大切な書類・写真を長く保管できることもメリットです。
印刷物の表面に貼るフィルムは、印刷カラー・デザインやクリアファイルの透明感を損なわない仕上がりとなるように選びましょう。PP貼り加工やラミネート加工などで透明性の高いフィルムがおすすめです。
3-3.印刷物をUV印刷で作成する
印刷物を油性印刷ではなくUV印刷で作成すると、クリアファイルの反り返りを防ぐことができます。UV印刷とは、UV硬化型インキを使用するオフセット印刷のことです。
UV硬化型インキはUV(紫外線)を照射すると瞬間硬化する性質があり、乾燥時間を短縮化できるメリットがあります。VOCを含んでいないため、印刷物によってPPが膨潤する心配はありません。
また、瞬間硬化する性質により、油性印刷のようにスプレーパウダーを散布しなくても裏移りやブロッキングが発生しない点もメリットです。クリアファイルの反りを解決すると共に印刷方法の変更も検討している場合は、UV印刷が解決方法の候補となります。
まとめ
クリアファイルの素材であるPPには軽量・透明・安価と長所がある反面、紙を入れると反ったり、劣化したりする弱点があります。とくにクリアファイルが反る現象は、紙を保存する上で避けたい問題です。
クリアファイルの反りは、油性印刷した印刷物を十分に乾燥させないまま挟むことで発生します。印刷物を十分に乾燥させたり、印刷方法をUV印刷に変えたりすることで対策しましょう。
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